お金の物語⑤ 未選択 2015年09月14日 貨幣の代わりに貨幣の預かり証が紙幣として流通するようになり、 両替商などの大金持ちのところには金持ちからのお金が預けられるようになり、よりたくさんの貨幣が集まりました。 それまで預かり証は預かった分の金を保証するものでした。 しかし、預かり証自体が価値を持ったことでわざわざ金貨に交換にくる人は減ったといわれています。 そこで両替商たちは、預かっている金貨や銀貨を貸し出して金利を取ろうと考えました。 どうせすぐには交換しに来ないのだから交換にくるまでに運用しようと考えたわけですね。 こうして両替商は、両替だけでなく、お金を預かったり、貸し出したりするようになりました。 これが銀行業の誕生です。 余談ですが「銀行」という言葉が金ではなく銀なのは一説によると東アジアで流通していたのは金より銀が主流だったからといわれています。 というわけで銀行ができました。 まっとうに銀行業を行う人もいましたが、どこにでも悪知恵が働く人はいるもので 預かっている金や銀を貸し出すのではなく預かっていない金銀の預かり証を発行し、それを貸し出す輩が出てきました。 今でいうところのペーパー商法みたいなものですね。 これでもしばらくの間はうまくいったそうですが、 敵対する金融機関の預かり証を集め、一気に持ち込み金貨との交換を要求することを求めるようになったといいます。 そんなことをすればもちろん金貨が足りなくなり、破たんしてしまいます。 「ペーパー商法みたいなことをしてる奴が悪いんだ!」と思うかもしれませんが、 破たんしてしまえば、そこの預かり証の価値がなくなってしまうのはもちろん、 金貨や銀貨を預けていた人も知らないうちに無一文なんてことになりかねません。 これをどうにかするため、政府の中央銀行以外が預かり証(=銀行券)を発行するのを禁止しました。 これは、銀行の貯蓄、運用の業務と分けることで、破たんを防ぐという目的のほか、 政府が経済的な国民生活への介入を容易にするためのものでした。 こうして、中央銀行と普通銀行が分かれ銀行の仕事は別々にしっかりと行われるようになりましたとさ。 めでたしめでたし。 {おわり。} PR